LAYER 3
修正できるようになる
第3層では、
見えてきたズレを、自分で直していくための考え方を整理します。
第3層|修正できるようになる
第2層では、
何が起きているのかを見て、
何がズレているのかを評価してきました。
ですが、
見えるだけではまだ足りません。
そこから「どう直すのか」が分からなければ、
同じところで止まり続けます。
第3層では、
見えてきたズレをもとに、
自分で修正していくための考え方を整理します。
修正とは、
別の何かを無理に足すことではありません。
通っていないものを見て、
ぶつかりを減らし、
通る条件を整えていくこと
ここからは、
そのための視点に触れていきます。
1. 修正とは何か
修正という言葉を聞くと、
多くの場合「間違いを直すこと」を思い浮かべます。
できていないところを見つけて、
正しい形に近づける。
もちろん、それも一つの見方です。
ですが、OSAでいう修正は少し違います。
修正とは、
別の何かを足すことではなく、
通っていないものを通るように整えること
例えば、
壁を押したときに肩でぶつかっていたとします。
このとき、
よくあるのは
・もっと力を入れる
・もっと意識する
・別の動きを足す
という方向です。
ですが、
すでにぶつかっている場所があるなら、
そこに何かを足しても、通りにくくなることがあります。
だから修正で最初にやるべきことは、
足すことではなく、
何がぶつかっているのかを見ること
です。
つまり、
修正 = 新しい正解を覚えること
ではありません。
修正 = 通らない理由を減らしていくこと
と言えます。
少しやってみてください。
壁に手をついて、
軽く押してみます。
もし肩や腕で詰まる感じがあるなら、
そこで無理に強く押すのではなく、
ほんの少し力を減らしてみてください。
あるいは、
足の裏や立ち方を少し感じ直してみてください。
すると、
さっきより通る感じが出ることがあります。
ここで起きているのは、
何か特別なものを加えたからではありません。
ぶつかりを減らしたから
です。
修正とは、
自分を否定することでも、
ダメな部分を責めることでもありません。
通る条件に近づけていくこと
そのために、
見えてきたズレをもとに、
少しずつ調整していくことです。
ここで整理すると、
修正とは、違う動きを足すことではない
修正とは、通らない理由を減らすこと
です。
では次に、
実際に修正するとき「どこを直すのか」に触れていきます。
2. どこを直すのか
修正が必要だと分かると、
多くの場合、
全部を直そうとします。
・姿勢を整えて
・力の入れ方を変えて
・フォームを意識して
できるだけ良くしようとして、
いろいろなことを同時に変えようとします。
ですが、
これをすると、
何が良くなったのか分からなくなります。
そして多くの場合、
かえって動きが不安定になります。
では、
どこを直せばいいのか。
答えはシンプルです。
止まっている場所
ぶつかっている場所
そこだけです。
例えば、
壁を押したときに
・肩で詰まる
・腕で止まる
そう感じたなら、
そこ以外は触らなくていい
ということです。
修正というと、
全体を作り直すイメージがありますが、
実際にやるのは、
一箇所だけを見ること
です。
なぜなら、
一箇所のズレが、
全体の流れを止めていることが多いから
です。
ここで少しだけやってみてください。
壁に手をついて、
軽く押します。
そのとき、
一つだけ決めます。
「ここを見る」
例えば、
・肩だけを見る
・足だけを見る
どちらでも構いません。
そして、
そこに変化があるかだけを見てください。
それだけで、
動きの感じ方が変わることがあります。
ここで整理すると、
修正とは、全部を直すことではない
修正とは、一箇所に絞ること
です。
では次に、
その修正の方向性について触れていきます。
「減らすことで通す」
という考え方です。
3. 減らすことで通す
修正というと、
何かを足すイメージが強いかもしれません。
・もっと力を入れる
・もっと意識する
・もっと正しい形に近づける
こうやって、
何かを加えることで良くしようとします。
ですが、
実際にはその逆が起きることがあります。
足すほどぶつかる。
減らすほど通る。
これは、
壁押しのようなゆっくりした動きだけの話ではありません。
スイングやダッシュのような速い動きでも、
同じことが起きています。
例えば、
力んで振ろうとすると、
・腕でぶつかる
・体が止まる
・タイミングがズレる
ということが起きます。
ダッシュでも同じです。
・力んで踏み込むほど重くなる
・地面にぶつかる感じが強くなる
・前に進まなくなる
ですが、
余計な力みやぶつかりが減ると、
動きが軽くなり、
そのまま速さや強さにつながります。
ここで重要なのは、
減らすと弱くなるわけではない
むしろ、
全体としての出力は上がることがあります。
感覚としては、
・部分ではなく、全体で動いている
・どこか一箇所ではなく、全体がつながっている
そんな状態です。
つまり、
出力が上がったのではなく、
通るようになった
と言えます。
だから必要なのは、
足りないものを増やすことではなく、
邪魔しているものを減らすこと
です。
少しやってみてください。
壁に手をついて、
軽く押します。
もし肩や腕で詰まる感じがあるなら、
そこで無理に強く押さずに、
・力を少し減らす
・頑張りを少し減らす
・押そうとする感じを少し減らす
こうしてみてください。
すると、
さっきよりも通る感じが出ることがあります。
ここで起きているのは、
能力が上がったわけではありません。
ぶつかりが減った
それだけです。
ですがその結果として、
動きは軽くなり、
速さや強さとして現れます。
ここで整理すると、
修正 = 足すことではない
修正 = 減らすことで通すこと
です。
では次に、
その「減らす」を実際に起こすために、
何を整えればいいのか。
次は、
「状態を整える」に触れていきます。
4. 状態を整える
ここまでで、
・どこを直すのか
・何を減らすのか
という話をしてきました。
では、
それを実際に変えようとするとき、
多くの人は
「動きの中で直そう」とします。
・スイングしながら直す
・走りながら修正する
ですが、
最初の段階ではうまくいかないことが多いです。
なぜなら、
すでにズレた状態のまま動いているから
です。
その状態で直そうとしても、
元の癖に引っ張られてしまいます。
だから必要なのは、
動く前の状態を整えること
です。
少しやってみてください。
壁の前に立って、
すぐに押すのではなく、
立ち方と触れ方だけを整えてみます。
・足の裏はどう地面に乗っているか
・手は壁にどう触れているか
それを感じてみてください。
その状態から、
軽く押してみます。
どうでしょうか。
さっきよりも、
通る感じが出ることがあります。
ここで起きているのは、
特別な動きをしたわけではありません。
動く前の状態が変わった
それだけです。
ただし、
状態を整えても、
動いた瞬間に崩れることがあります。
これはよくあることです。
なぜなら、
「動き」として見ている範囲が狭いから
です。
多くの場合、
動きというと
・スイング
・一歩目
その瞬間だけを見ています。
ですが実際には、
立つ → 準備する → 動き出す → 動く
という流れの中で、
すでに動きは始まっています。
つまり、
動きの前と動きの中は、
別ではなく繋がっている
ということです。
だから、
・止まった状態では整っている
・でも動くと崩れる
というときは、
動き出しの瞬間で崩れている
と考えます。
ここで重要なのは、
どこまでを一つの動きとして見るか
です。
動き出しまで含めて見るようになると、
・なぜ崩れるのか
・どこでズレているのか
が見えてきます。
ここで整理すると、
修正 = 動く前だけ整えることではない
修正 = 動き出しまで含めて整えること
です。
ここまでくると、
修正の見え方がもう一段深くなります。
では最後に、
修正がうまくいく人は何が違うのか。
その違いに触れていきます。
5. 修正が上手い人は何が違うのか
ここまでで、
・ズレを見る
・力の流れを見る
・減らして通す
・状態を整える
ということを見てきました。
では、
修正がうまくいく人は
何が違うのでしょうか。
よくあるイメージは、
・センスがある
・感覚が良い
・一回で正解にたどり着く
ですが、
実際には少し違います。
修正が上手い人は、
一回で正解に行っているわけではありません。
むしろ、
見て、試して、また見ている
この繰り返しをしています。
例えば、
壁を押したときに違和感があったとします。
そのとき、
・どこで止まったかを見る
・少しだけ減らしてみる
・もう一度押してみる
そして、
また状態を見ます。
この流れを、
何度も繰り返しています。
つまり、
修正が上手い人は、
正解を知っているのではなく、
正解に近づく方法を持っている
と言えます。
ここで重要なのは、
一回で変えようとしないこと
です。
一度で大きく変えようとすると、
どこが良かったのか、
どこがズレているのかが分からなくなります。
だから、
少し変える → 見る → また変える
この繰り返しが重要になります。
ここまで来ると、
修正の意味が変わります。
修正とは、
完璧な動きを作ることではなく、
状態を見ながら、
通る方向に近づけていくこと
です。
そしてそれは、
特別な才能ではありません。
見る → 試す → 見る
この流れを繰り返すことで、
少しずつ身についていきます。
ここで第3層をまとめると、
修正できるようになるとは、
状態を見て、少しずつ調整できるようになること
です。
では次に、
その調整をより深く扱う段階に進みます。
次は、
第4層|競技に応用する