LAYER 4

競技に応用する

第4層では、
押す、投げる、走る、打つといった動きの中で、
構造をどう通すかを扱います。

第4層|競技に応用する

第1層では感覚に触れ、
第2層では評価できるようになり、
第3層では修正できるようになりました。

ここまでで、
動きを変えるための土台は整っています。

では次に必要なのは何か。

それを競技の中で使えるようにすること

です。

・押す
・投げる
・走る
・打つ

こうした動きの中で、
構造が通っているかどうか。

第4層では、
それを具体的な動きの中で見ていきます。

1. 応用とは何か

構造を理解することと、
それを使えることは別です。

壁押しで通る感覚があっても、
スイングやダッシュで同じようにできるとは限りません。

ここで多くの場合、

別の動きとして考えてしまいます。

・押すときはこう
・走るときはこう
・投げるときはこう

ですが、
本質的には同じことが起きています。

通るか、ぶつかるか

それだけです。

つまり応用とは、

新しい動きを覚えることではなく、
同じ構造を別の状況に持ち込むこと

です。

例えば、
壁を押したときに
地面まで通る感覚があったとします。

それをそのまま、
スイングやダッシュの中でも
保てるかどうか。

ここが応用です。

逆に、
形だけを真似しても、

通っていなければ意味がありません。

だから、
応用するときに見るべきなのは、

動きの種類ではなく、
構造が通っているかどうか

です。

ここで整理すると、

応用 = 別の動きを覚えることではない
応用 = 同じ構造を別の場面で通すこと

です。

では次に、
具体的に「押す」という動きの中で、
それを見ていきます。

2. 押すに応用する

まずは、
一番分かりやすい「押す」という動きから見ていきます。

押す動きは、
壁押しのようなシンプルな場面だけでなく、

・相手とぶつかる
・当たり負けしない
・接触の中で崩れない

こうした競技の場面にも、そのまま現れます。

ここで多くの場合、
相手に押し負けると

「もっと強く押さないといけない」

と考えます。

ですが、
本質はそこではありません。

重要なのは、

相手にぶつかっているのか、
それとも通っているのか

です。

例えば、
相手を押そうとしたときに

・肩が上がる
・腕だけで頑張る
・胸で止まる

こういうことが起きると、
自分の中でぶつかりが増えます。

すると、
相手に力を伝える前に、
自分の中で止まってしまいます。

これが、
押しているのに弱い状態です。

ここで重要なのが、
反作用がどこに返っているかという視点です。

本来、
押すという動きは、

地面と対象に挟まれた構造

の中で起きています。

つまり、

力を出す ↔ 反作用が返る ↔ 地面に返る

という流れが成立しているとき、
押す力は安定します。

ですが、
体の中でぶつかっていると、

反作用が地面に返らず、
身体の中で止まります。

すると、
自分自身が崩れたり、
力が弱くなったりします。

逆に、

体の中でぶつからず、
反作用がそのまま地面に返ると、
強く押すことができます。

ここで少し視点を広げてみます。

私たちは、
常に地面と対象の間に挟まれています。

例えば、
相手を押すとき。

自分 ↔ 相手
という関係だけではなく、

地面 ↔ 自分 ↔ 相手

という構造の中にいます。

さらに言えば、

地球の重力の中で、
常に「挟まれている状態」

とも言えます。

だからこそ、

自分の力だけで押しているわけではない

という見方ができます。

構造が通っているとき、

地面との関係をそのまま相手に通す

ことができます。

その結果として、

自分の身体以上の力が出ているように感じる

ことがあります。

つまり、

押すに応用するとは、
力を増やすことではなく、
接触の中でも通る構造を保つこと

です。

見るべきなのは、

・どこでぶつかっているか
・どこで止まっているか
・反作用がどこに返っているか

です。

相手がいると、
つい「勝つ / 負ける」で見てしまいます。

ですが、
OSAではまず

構造が通っているかどうか

を見ます。

ここが見えてくると、
当たりの中で何を修正すればいいかが分かってきます。

・もっと押すのではなく、ぶつかりを減らす
・もっと力むのではなく、通る状態をつくる

そういう方向に修正が変わります。

ここで整理すると、

押す = 相手を押し込むことではない
押す = 接触の中で通すこと

です。

では次に、
この構造を「投げる」という動きの中で見ていきます。

3. 投げるに応用する

次は、
「投げる」という動きの中で見ていきます。

投げる動きになると、
多くの場合

・腕を速く振る
・肩を強く使う
・体幹を回す

といった言葉で捉えられます。

もちろん、それらも一つの見方です。

ですが、
OSAでまず見るのはそこではありません。

投げる動きの中で、
力が通っているか、
どこかでぶつかっているか

です。

例えば、
ボールを強く投げようとしたときに

・肩に力が集まる
・腕だけが急ぐ
・リリースの前に体が止まる

こういうことが起きると、
身体の中でぶつかりが増えます。

すると、
本来ボールに伝わるはずだったものが、
途中で止まってしまいます。

これが、
頑張っているのに伸びない投げ方です。

一方で、

・地面とのつながりがある
・全体の流れの中で腕が出る
・途中でぶつからずに抜けていく

そういう投げ方では、
無理に力を入れなくても
ボールは強く飛んでいきます。

ここで重要なのは、

投げる = 腕で飛ばすことではない

ということです。

むしろ、

通ってきたものが、
最後にボールへ抜けていく

そういう見方をします。

だから、
投げる動きを修正するときも

「もっと腕を速く」
「もっと肩を強く」

ではなく、

どこでぶつかっているのか
どこで流れが止まっているのか

を見ます。

例えば、

・踏み出しで止まっている
・胸で詰まっている
・腕だけ先に行っている

そういうズレがあるなら、
そこが修正ポイントになります。

ここで押すとの違いもあります。

押すは、
相手や壁に向かって接触したまま通す動きです。

投げるは、
接触したものを最後に空間へ抜いていく動きです。

ですが、
本質は同じです。

体内でぶつからず、
地面との関係が途切れず、
最後まで通ること

これが投げる強さになります。

感覚としては、

・腕で投げるというより、抜けていく
・力むというより、通って飛んでいく

そんな状態です。

ここで整理すると、

投げる = 腕で飛ばすことではない
投げる = 通ったものを最後に空間へ抜くこと

です。

では次に、
この構造を「走る」という動きの中で見ていきます。

4. 走るに応用する

次は、
「走る」という動きの中で見ていきます。

走る動きになると、
多くの場合

・脚で地面を蹴る
・強く踏み込む
・前に運ぶ

という感覚で捉えられます。

もちろん、それも一つの見方です。

ですが、
OSAでまず見るのはそこではありません。

接地した瞬間に、
全体がどう影響し合っているか

です。

走るとき、
足が地面に触れた瞬間、

反作用は同時に返ってきます。

後からじわじわ来るのではなく、
触れたその瞬間に、
全体へ影響します。

だから、
走るという動きは

脚だけの仕事ではありません。

足が地面に触れた瞬間、
その影響は

・足首
・膝
・股関節
・胴体
・上半身

まで一気に関わってきます。

つまり、

走るとは、
地面との接触をきっかけに、
全体が同時に影響し合う動き

だと言えます。

ここでぶつかりがあると、

・接地が重くなる
・身体のどこかで止まる
・前に進む流れが途切れる

ということが起きます。

例えば、
強く走ろうとして

・地面にぶつかる
・上に跳ねる
・脚だけで頑張る

そういう状態になると、
反作用は前に進むために使われず、
身体の中で散ってしまいます。

これが、
頑張っているのに進まない走りです。

一方で、

・接地が重くない
・地面との関係が途切れない
・触れた瞬間に全体がつながる

そういう走りでは、
反作用がそのまま前進につながっていきます。

ここで重要なのは、

走る = 脚で頑張って進むことではない

むしろ、

地面との接触によって返ってきたものを、
全体で通して前に進むこと

と言えます。

そしてそのとき、
重要なのは

部分ごとに順番に動いている感覚ではなく、

触れた瞬間に、
全体が同時に動いている感覚

です。

これが出てくると、
走りは軽くなり、
前への流れが自然に立ち上がります。

ここで整理すると、

走る = 地面を蹴ることではない
走る = 接地の反作用を全体で通して前進すること

です。

では次に、
この構造を「打つ」という動きの中で見ていきます。

5. 打つに応用する

次は、
「打つ」という動きの中で見ていきます。

打つ動きになると、
多くの場合

・ボールにぶつけにいく
・強く振る
・叩く

という感覚で捉えられます。

これらは間違いではありません。

実際に多くの選手が、

・ボールを潰すように振る
・最短距離でバットを出す

といった表現を使います。

ですが、
重要なのはその言葉ではなく、

そのとき身体の中で何が起きているか

です。

ボールにぶつけにいこうとしても、
体の中でぶつかっていれば、

・途中で止まる
・力が散る
・タイミングがズレる

ということが起きます。

これが、
頑張っているのに飛ばない状態です。

一方で、
構造が通っているときは、

ぶつけにいく感覚のままでも、
力は自然にボールへ通ります。

ここで起きているのは、

振って当てる

のではなく、

通ってきたものが、
最後に接触として現れている

という状態です。

つまり、

打つ = ボールにぶつけにいくことではなく、
通った流れが接触として現れること

と言えます。

ここで押す・投げるとの共通点を見ると、

・押す → 接触したまま通す
・投げる → 通って空間へ抜ける
・打つ → 通って接触で現れる

となります。

動きは違っても、
本質は同じです。

体内でぶつからず、
地面との関係が途切れず、
最後まで通ること

これが打つ強さになります。

だから、
打つ動きを修正するときも

「もっと強く振る」
「もっと速く出す」

ではなく、

どこでぶつかっているのか
どこで止まっているのか

を見ます。

そして、

通らない理由を減らす

ことで、
結果として強い打球になります。

ここで重要なのは、

感覚は否定するものではない

ということです。

「ぶつけにいく」
「潰すように振る」

その感覚のままでいい。

ただし、

構造として通っている必要がある

というだけです。

ここで整理すると、

打つ = 振って当てることではない
打つ = 通ったものが接触として現れること

です。

では最後に、
これらの動きを通して見えてくる、
共通した状態について触れていきます。

最後に

ここまで、
押す・投げる・走る・打つ

という動きの中で、
構造がどう通るのかを見てきました。

動きは違っても、
本質は同じです。

ぶつかるか、通るか

それだけです。

ここまで来ると、
一つの変化が起きます。

それは、

「どう動かすか」を考えなくなる

ということです。

最初は、
・ここを意識して
・ここを直して
・ここを減らして

と考えながら動いていたものが、

次第に
一つにまとまっていきます。

そして、

・気がついたら終わっていた
・打った感覚がない
・降りてきた感覚がある

そういう状態になります。

これらは、
特別なものではありません。

感覚・評価・修正が一つになり、
動きが分断されていない状態

それを違う言葉で表現しているだけです。

そのとき、

「自分が動かしている」という感覚は薄れます。

力を出そうとしなくても、
動きは起こり、

結果として
強さや速さが現れます。

ここで重要なのは、

それを目指して無理に消そうとしないこと

です。

自分を消そうとすると、
逆に不自然になります。

そうではなく、

感覚に触れ、
評価し、
修正し、
それを繰り返す

その先に、
自然とその状態が現れます。

これが、
第4層で扱ってきたことです。

OSAは、
技術を教える場所ではありません。

自分で見て、
自分で修正し、
自分で積み重ねられる状態をつくる場所

です。

ここまで理解したあなたは、
もう「何をすればいいか分からない状態」ではありません。

自分の動きを見て、
少しずつ整えていくことができます。

そしてその積み重ねの先に、

自分がいなくなるような動き

が現れてきます。

そこに、
パフォーマンスの本質があります。

全層を終えて

ここまでの内容は、
特別な才能を持った人のためのものではありません。

本来、
誰もが持っている感覚と構造を、
もう一度整理したものです。

だから、
できるかどうかではなく、

見ようとするかどうか

それだけが分かれ目です。

最初は、
うまくいかないこともあると思います。

ですが、

・ズレを見る
・少し減らす
・また試す

これを繰り返せば、
動きは必ず変わっていきます。

あなたはもう、
何をすればいいか分からない状態ではありません。

あとは、
自分で積み重ねていくだけです。

そしてその先に、

自分がいなくなるような動き

が現れてきます。

それは特別なものではなく、
構造が通った結果として起きるものです。

もし、
自分の動きを見てほしい、
具体的にどこを修正すればいいか知りたい場合は、

個別に相談を受け付けています。

個別相談はこちら

※動画を送っていただければ、評価と修正ポイントをお伝えします。

ここまで読んでくれて、
ありがとうございました。