LAYER 2

評価できるようになる

第2層では、
動きを「見るための軸」を手にしていきます。

第2層|評価できるようになる

第1層では、
感覚に触れ、何かが変わる体験をしてきました。

ここからは、
「評価できるようになる」段階に入ります。

何が良くて、
何がズレているのか。

それが分からなければ、
修正することはできません。

逆に言えば、

見えるようになれば、
自分で修正できるようになります。

第2層では、
そのための「見る軸」を一つずつ手にしていきます。

1. 評価とは何か

評価という言葉を聞くと、
多くの人は「良い・悪いを決めること」を思い浮かべます。

できている。
できていない。
上手い。
下手。

もちろん、それも一つの見方です。

ですが、OSAでいう評価は少し違います。

評価とは、
良い悪いを決めることではなく、
何が起きているかを見分けること

例えば、
押したときに崩れた。

ここで
「ダメだった」
で終わると、次に進めません。

ですが、

・肩に返っていた
・上にぶつかっていた
・地面まで通っていなかった

こう見えてくると、
初めて修正の入口ができます。

つまり、

評価とは、
自分を否定することではありません。

次に進むために、
状態を読み取ることです。

ここで少しだけ、やってみてください。

軽く立ったまま、
その場で前に手を出してみます。

もしくは
壁を押しても構いません。

このとき、
すぐに「良いか悪いか」を決めなくて大丈夫です。

見るのは、

・どこに力が集まったか
・どこで止まったか
・どこにぶつかった感じがあったか

です。

これが評価の始まりです。

評価ができるようになると、
「なんとなく良くない」が
「ここで止まっている」に変わります。

すると、
練習は根性論ではなくなります。

感覚だけに頼るのでもなく、
言葉だけに縛られるのでもなく、

起きていることを見て、
そこから次を決められるようになる

それが評価です。

では次に、
その評価の中心になる「ズレを見る」ということに触れていきます。

2. ズレを見るとは何か

評価できるようになる、というのは
結局のところ「ズレを見つけられるようになる」ということです。

ここでいうズレとは、
何かの理想形から外れていることではありません。

よくあるのは、
「正しいフォーム」から外れていることを
ズレだと考えることです。

ですが、OSAではそう考えません。

ズレとは、
正しい形から外れていることではなく、
通るはずのものが通っていないこと

少しやってみてください。

壁の前に立って、
軽く手をついてみます。

そして、
ゆっくり壁を押してみてください。

このとき、
強く押す必要はありません。

見てほしいのは、

・どこで止まるか
・どこでぶつかるか

です。

例えば、

・肩で止まる感じがある
・腕で詰まる
・胸のあたりで押し返される

こういう感覚が出ることがあります。

一方で、

・足まで繋がる感じがある
・地面に落ちていく感じがある

そう感じることもあります。

見た目はほとんど同じでも、
中で起きていることは大きく違います。

ここで起きている違いが、
ズレです。

つまり、

ズレを見るとは、
形を見ることではなく、
流れが止まっている場所を見ること

大事なのは、
最初から正解を当てることではありません。

何が起きているかを見ようとすること

それがズレを見る始まりです。

ズレが見えないとき、
人は「もっと頑張る」という方向に行きやすくなります。

ですが、
すでにどこかでぶつかっているなら、
そこに力を足しても、通らなくなります。

逆に、
ズレが見えるようになると、

どこを減らせばいいか
どこを変えればいいか

それが見えてきます。

ここで整理すると、

ズレを見る = 正しい形を探すことではない
ズレを見る = 通っていない場所を見ること

これが見えてくると、
動きは「上手い・下手」ではなく、
「通っているか、止まっているか」で見えるようになります。

では次に、
その「通る / ぶつかる」を
もう少し具体的に見ていきます。

次は、
「力の流れを見る」に触れていきます。

3. 力の流れを見る

ズレを見る、ということは
言い換えると「力の流れを見る」ということです。

ここでいう流れとは、
何か特別なエネルギーの話ではありません。

壁を押したとき、
足から身体を通って、手までつながっているのか。
それとも、どこかで止まっているのか。

その違いです。

もう一度、壁の前に立ってみてください。

軽く手をついて、
今度は少しだけ「流れ」を見るつもりで押してみます。

このとき見たいのは、

・ぶつかっている感じがあるか
・どこかで止まっている感じがあるか
・下まで通っている感じがあるか

です。

例えば、
肩で押している感じが強いときは、

肩でぶつかっている

腕だけが頑張っている感じがあるときは、

腕で止まっている

逆に、
手から足、足から地面まで
つながる感じがあるときは、

通っている

ということです。

ここで大事なのは、
強く押せているかどうかではありません。

どこかでぶつかっているのか。
それとも通っているのか。

そこを見ることです。

多くの場合、
上手くいかないときは

力を足そうとします。

ですが、
すでにどこかでぶつかっているなら、
力を足すほど詰まりは強くなります。

だから必要なのは、
「もっと出すこと」ではなく、

どこで止まっているかを見ること

です。

つまり、

力の流れを見るとは、
強さを見ることではなく、
ぶつかりと通り道を見ること

ここが分かってくると、
動きを見たときに

・この人は強い
・この人は弱い

ではなく、

・ここでぶつかっている
・ここは通っている

と見えるようになります。

そしてそれは、
自分の身体の中だけを見ていても
分かりにくいことがあります。

では、
どこを見ればいいのか。

次は、
「身体の中ではなく外を見る」に触れていきます。

4. 身体の中ではなく外を見る

ここまでで、
・ズレを見る
・力の流れを見る

という話をしてきました。

では、そのとき
どこを見ればいいのか。

多くの場合、
人は自分の身体の中を見ようとします。

・筋肉を意識する
・力の入り方を考える
・フォームを整える

ですが、
それだけでは見えないものがあります。

少しやってみてください。

壁の前に立って、
手をついて、軽く押してみます。

このとき、
自分の身体の中ではなく、外を見てみてください。

・壁にどう触れているか
・地面にどう立っているか

そこに意識を向けてみます。

どうでしょうか。

さっきとは、
少し感覚が変わるかもしれません。

ここで大事なのは、

動きは「自分だけ」で完結していない

ということです。

・地面との関係
・壁との関係
・空間との関係

その中で、動きは起きています。

ですが、
自分の身体の中だけを見ていると、

この関係が見えなくなります。

すると、

・力を入れる
・頑張る
・コントロールしようとする

という方向に行きやすくなります。

その結果、
流れは止まり、
ぶつかりが増えます。

一方で、
外に意識を向けると、

自分・地面・対象
その関係の中で動く

という状態になります。

ここで整理すると、

身体の中を見る = 部品として動く
外を見る = 関係の中で動く

上手い人は、
特別な筋肉の使い方をしているわけではなく、

関係の中で動いています。

だから、
無理に力を出そうとしなくても、
通るときは通ります。

ここまで来ると、
見え方が少し変わります。

・身体をどう動かすか
ではなく
・どんな関係になっているか

で動きを見るようになります。

では最後に、
もう一つ重要な要素に触れます。

同じようにできたとしても、
それが続かなければ意味がありません。

次は、
「再現性とは何か」に触れていきます。

5. 再現性とは何か

最後に、
「再現性とは何か」に触れていきます。

ここまでで、
・ズレを見る
・力の流れを見る
・関係の中で動く

という視点を見てきました。

では、
それが一度できたとして、

次も同じようにできるでしょうか。

スポーツの中でよくあるのは、

・たまたま上手くいく
・たまに良い動きが出る

という状態です。

このとき多くの場合、

なぜできたのかが分かっていません。

すると、
次に同じことをしようとしても、
再現できなくなります。

ここで一つ整理すると、

偶然できることと、再現できることは違います。

偶然できるものは、
条件が揃ったときにだけ起きます。

ですが、

構造として理解できているものは、再現できます。

例えば、
壁を押したときに

・どこでぶつかっているか
・どこで止まっているか
・どこまで通っているか

これが見えていれば、

次にどうすればいいかが分かります。

・ここで止まっているから減らす
・ここが繋がっているから残す

そうやって調整できるようになります。

これが、
再現性のある状態です。

つまり、

再現性とは、
同じことを繰り返すことではなく、
状態を調整できること

ここまで来ると、
練習の意味が変わります。

・回数をこなす
・根性でやり切る

ではなく、

見る → 修正する → また試す

という流れになります。

そしてこの繰り返しによって、
動きは少しずつ安定していきます。

ここで、第2層をまとめると、

評価できるようになるとは、
状態を見て、調整できるようになること

です。

では次に、
その「調整」を実際に行う段階に進みます。

次は、
第3層|修正できるようになる